2006年 06月 22日
DVD: "La Traviata" ザルツブルグ音楽祭 05' |
待望のDVDついに入手しました。アマゾンで1か月前から予約注文していたのに、配達プランでケチってしまい、発売の6/13から約1週間、指を加えて待っていたところ、ようやく到着!早速観ました。
このトラビアータ、とにかく解釈が斬新!一幕目のe strano.. の後半にはアルフレッドも登場するし、何よりも2幕目の彼のアリアは、ヴィオレッタとのかくれんぼ。その上、この二人の絡みが激しい、激しい...。2幕目のパーティシーンでは、ジプシー&闘牛ダンスがアルフレッドの嘲りになってるから、アルフレッドの怒りは倍増。あとは最初から最後まで死の象徴として、ヴィオレッタを脅かし、不気味にステージに佇む謎の男(実は医者なんだけど)。ラストシーンも、ヴィオレッタは愛する人達に囲まれて、息絶えるというよりも、一人で死んでいくという終わり方。いやー、ウィリー・デッカーの演出、ゼフェレリしか観てない私には、えっえ、ええ〜!の連続だった。
シンガーでいうと、まずはネトレプコ。やっぱりこの人、ステージでの存在感がまず凄い。美声だけじゃなくて、全身で表現しながらあの歌声を維持するのは、本当に脱帽モノ。ファスナー上げながらHi Cを出すソプラノって見た事ないでしょ。とにかく、舞台全体を縦横無尽に走り回って体当たりの演技には拍手ものです。
ネトレプコは顔も綺麗だけど、彼女のダークでどの音階でも満遍なくリッチな歌声は結構好き。あー、生で観たかった....。でもきっとCDで音楽としてのみのオペラが大好きな人には、ドタバタ系で、動きが歌とのトレードオフになるこういう演出はお好みじゃないんだろうな、とも思った。
そしてもちろんヴィラゾン。もう最高! 彼の表現力、演技力はとにかく素晴らしい。リリック一つ一つの意味をきちんと表現しながら、その上ネトレプコ同様、アクションとパッションを込めて歌いあげる。2幕始めのアリア2連発はハッピーな生活をかくれんぼしながら歌った後で、ヴィオレッタが家財を売って生計を立ててた事に怒りまくって、ズボンに片足つっこみながら大熱唱。2幕後半のパーティシーンでは、からかわれた挙げ句、目の前でいちゃつかれて鬼と化したアルフレッドはマジで怖い。(だってあのお顔だし..) ラストは、後悔の念と、死からヴィオレッタを救えない無力感から、死にゆくヴィオレッタを抱きしめる訳でもなく、ただ単にうずくまるアルフレッドがよく表現されている。でもデッカーはヴィラゾンを、若くて単純、そして弱々しく脆い男性像として演出するのが好きなのかしら?このラストシーンは一瞬、デッカー演出でヴィラゾンがタイトルロールだったドン・カルロを思い出した。
しかし、ネトレプコとヴィラゾンのコンビは、ほんとドリーム・カップルと言わしめるだけあるね。アルフレッドがヴィオレッタに愛を語るun di feliceから1幕終わりまでは、ヴィオレッタの葛藤とアルフレッドのストレートな愛が非常によーく伝わってくる。これは二人のケミストリーの大勝利。二人に拍手を送りたい。
指揮者のカール・リッツとパパ役ハンプソンには申し訳ないけど、このDVDは、ネトレプコとヴィラゾンの二人の話に尽きるでしょう。
ボーナス版のmakingはとても充実してて、楽しそうなリハーサルシーンが満載されいてる。いやー、ヴィラゾンは本当にラテンの男だね。ネトレプコとは本当に仲良さそうで、こういう関係は舞台でもうまく行くんだなーと思った。
ヴィラゾンのファンという事で、このCDは相当聞き込んでたけど、こういう演出で舞台ではこんな事が繰り広げられていたとは!!と思わず唸らせるDVDでした。
このトラビアータ、とにかく解釈が斬新!一幕目のe strano.. の後半にはアルフレッドも登場するし、何よりも2幕目の彼のアリアは、ヴィオレッタとのかくれんぼ。その上、この二人の絡みが激しい、激しい...。2幕目のパーティシーンでは、ジプシー&闘牛ダンスがアルフレッドの嘲りになってるから、アルフレッドの怒りは倍増。あとは最初から最後まで死の象徴として、ヴィオレッタを脅かし、不気味にステージに佇む謎の男(実は医者なんだけど)。ラストシーンも、ヴィオレッタは愛する人達に囲まれて、息絶えるというよりも、一人で死んでいくという終わり方。いやー、ウィリー・デッカーの演出、ゼフェレリしか観てない私には、えっえ、ええ〜!の連続だった。
シンガーでいうと、まずはネトレプコ。やっぱりこの人、ステージでの存在感がまず凄い。美声だけじゃなくて、全身で表現しながらあの歌声を維持するのは、本当に脱帽モノ。ファスナー上げながらHi Cを出すソプラノって見た事ないでしょ。とにかく、舞台全体を縦横無尽に走り回って体当たりの演技には拍手ものです。
ネトレプコは顔も綺麗だけど、彼女のダークでどの音階でも満遍なくリッチな歌声は結構好き。あー、生で観たかった....。でもきっとCDで音楽としてのみのオペラが大好きな人には、ドタバタ系で、動きが歌とのトレードオフになるこういう演出はお好みじゃないんだろうな、とも思った。
そしてもちろんヴィラゾン。もう最高! 彼の表現力、演技力はとにかく素晴らしい。リリック一つ一つの意味をきちんと表現しながら、その上ネトレプコ同様、アクションとパッションを込めて歌いあげる。2幕始めのアリア2連発はハッピーな生活をかくれんぼしながら歌った後で、ヴィオレッタが家財を売って生計を立ててた事に怒りまくって、ズボンに片足つっこみながら大熱唱。2幕後半のパーティシーンでは、からかわれた挙げ句、目の前でいちゃつかれて鬼と化したアルフレッドはマジで怖い。(だってあのお顔だし..) ラストは、後悔の念と、死からヴィオレッタを救えない無力感から、死にゆくヴィオレッタを抱きしめる訳でもなく、ただ単にうずくまるアルフレッドがよく表現されている。でもデッカーはヴィラゾンを、若くて単純、そして弱々しく脆い男性像として演出するのが好きなのかしら?このラストシーンは一瞬、デッカー演出でヴィラゾンがタイトルロールだったドン・カルロを思い出した。
しかし、ネトレプコとヴィラゾンのコンビは、ほんとドリーム・カップルと言わしめるだけあるね。アルフレッドがヴィオレッタに愛を語るun di feliceから1幕終わりまでは、ヴィオレッタの葛藤とアルフレッドのストレートな愛が非常によーく伝わってくる。これは二人のケミストリーの大勝利。二人に拍手を送りたい。
指揮者のカール・リッツとパパ役ハンプソンには申し訳ないけど、このDVDは、ネトレプコとヴィラゾンの二人の話に尽きるでしょう。
ボーナス版のmakingはとても充実してて、楽しそうなリハーサルシーンが満載されいてる。いやー、ヴィラゾンは本当にラテンの男だね。ネトレプコとは本当に仲良さそうで、こういう関係は舞台でもうまく行くんだなーと思った。
ヴィラゾンのファンという事で、このCDは相当聞き込んでたけど、こういう演出で舞台ではこんな事が繰り広げられていたとは!!と思わず唸らせるDVDでした。
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by threenorns
| 2006-06-22 18:21
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