2006年 12月 18日
MET: Don Carlo パーペ最高! |
ベルディの大作ドン・カルロを観てきた。いやー、もう素晴らしい!の一言。シンガーは豪華キャストで指揮もラバイン。最高の夜だった。
もう何と言ってもフィリッポ王のルネ・パーペ、最高!4幕冒頭のお待ちかねアリア"Ella giammai m'amò!"では、場内割れんばかりの大喝采。ブラボ〜、ブラボ〜と拍手が止まない止まない。フィリッポの王として、夫としての苦渋が見事に表現されていた。まぁフルラネットのフィリッポも相当良かったけど、パーペのフィリッポかなり良し。うん、私の目に狂いは無かった。パリジファルのグルネマンツで初めて聴いて、次に聴いたトリスタンとイゾルデのマルケ王で虜になった。パーペは私が初めてファンになったシンガーなのだ。当時はオフィシャルホームページもなくて、情報に乏しく、METに彼が来る度に取りあえず欠かさず観てきた。うーん、今日のは本当に良かった。非常に満足。
そして、ディミトリー・ホロストフスキーのロドリゴ。もう4幕後半の死んじゃうシーンのアリア、良かったねぇ。これも満場の拍手鳴りやまず。ルックス、立ち振る舞い、もちろん歌い方も、麗しい貴公子そのもの。今シーズンは、この後、ユージン・オネーギンがあるんだけど、相当楽しみになってきた。もっと彼を聴いてみたい!
エボリ公女は、オルガ・ボロディーナ。彼女のダリラを昨シーズン観たけど、相変わらずのビロードの声色は魅惑的で聴き応え満点。宗教裁判長のサミュエル・レイミーは非常にエナジェティックで、老齢で盲目の裁判長にしては、若すぎるぐらいテンションが高かった。エリザベッタは、アメリカ人ソプラノのパトリシア・ラセッテ。情熱的でエモーショナルなエリザベッタで、LAの時のソプラノに比べて格段によし。低声シンガーのアリアが印象的なこのオペラで、美しいソプラノの存在を見せつけてくれた。
わたし的に残念なのは、ドン・カルロのヨハン・ボータ。歌唱は迫力満点で声も大きいんだけど、難点は表現力とあの容姿。ちょっと太り過ぎでかどう見ても動きが辛そう。。折角のエリザベッタとの愛がなかなか伝わってこない。NY Timesの批評が結構面白くって、スラっと長身のフィリッポ王のと丸太のドン・カルロを比べたら、自分だったら、どう考えてもフィリッポ王の后で満足する、と書いてあった。そうだよね。パーペのどこがご不満?って感じ。その上批評では、タイトルを「フィリッポ王の悲劇」に変えるべき、とまで言っていた。まぁ観てみて同感。なにしろパーペが本当に良すぎた。
そして今回は、私にとって先シーズン前半以来のラバインの指揮。おかえりなさいという気分の人が多いのか、彼がピットに入ってくるだけで大拍手が起こっていた。そしてその大きな期待を全く裏切らない素晴らしい演奏だった。何しろ今夜のドン・カルロは5幕パージョン。相当長いが、その長さを感じさせない緊張感溢れる演奏だった。ほんと満足。ま、私の場合は前回がドミンゴだったから、特に今回は指揮者の違い痛感した。
このプロダクションは、ジョン・デクスターで、初演は相当古いらしい。今回も隣の席がオペラ通の品の良い老婦人で、このセットは近くで見たら、つぎはぎだらけなのよ、と言っていた。というかこの人、今回のドン・カルロはドレスリハーサルを含めたら4回目との事。羨ましい限りだが、今回のが一番出来がいいと言っていた。LAのフルラネットも良かったと言ってみたら、フルラネットは最近のフィリッポ王のゴールデン・スタンダードなのよ、と教えたれた。そうか、そうだったのね。
最近殆どオペラは一人で観に来てるけど、わたし的には、ドレスサークル前3列が、費用対効果的に一番気に入ってる。まずは何よりも音が良いし、ステージもちゃんと見える。上で聞いた後だと、オーケストラではもう聞けなくなる。音が上に抜けてくのが感じるもん。そして、大抵隣りは一人で来てる品のある老婦人でパトロン組。まぁパトロンルームはドレスサークルにあって近いからね。。こういう方々は、オペラに相当詳しくって、その上相当観てる。それも1シーズンの1演目を何回も観ちゃうわけだから、本当、財力と時間があるって羨ましい。。。
あー、早く次のオペラ観たいなー。次はネトレプコの清教徒で、その次はタン・ドゥンのFirst Emperor。あー、楽しみぃ。
もう何と言ってもフィリッポ王のルネ・パーペ、最高!4幕冒頭のお待ちかねアリア"Ella giammai m'amò!"では、場内割れんばかりの大喝采。ブラボ〜、ブラボ〜と拍手が止まない止まない。フィリッポの王として、夫としての苦渋が見事に表現されていた。まぁフルラネットのフィリッポも相当良かったけど、パーペのフィリッポかなり良し。うん、私の目に狂いは無かった。パリジファルのグルネマンツで初めて聴いて、次に聴いたトリスタンとイゾルデのマルケ王で虜になった。パーペは私が初めてファンになったシンガーなのだ。当時はオフィシャルホームページもなくて、情報に乏しく、METに彼が来る度に取りあえず欠かさず観てきた。うーん、今日のは本当に良かった。非常に満足。
そして、ディミトリー・ホロストフスキーのロドリゴ。もう4幕後半の死んじゃうシーンのアリア、良かったねぇ。これも満場の拍手鳴りやまず。ルックス、立ち振る舞い、もちろん歌い方も、麗しい貴公子そのもの。今シーズンは、この後、ユージン・オネーギンがあるんだけど、相当楽しみになってきた。もっと彼を聴いてみたい!
エボリ公女は、オルガ・ボロディーナ。彼女のダリラを昨シーズン観たけど、相変わらずのビロードの声色は魅惑的で聴き応え満点。宗教裁判長のサミュエル・レイミーは非常にエナジェティックで、老齢で盲目の裁判長にしては、若すぎるぐらいテンションが高かった。エリザベッタは、アメリカ人ソプラノのパトリシア・ラセッテ。情熱的でエモーショナルなエリザベッタで、LAの時のソプラノに比べて格段によし。低声シンガーのアリアが印象的なこのオペラで、美しいソプラノの存在を見せつけてくれた。
わたし的に残念なのは、ドン・カルロのヨハン・ボータ。歌唱は迫力満点で声も大きいんだけど、難点は表現力とあの容姿。ちょっと太り過ぎでかどう見ても動きが辛そう。。折角のエリザベッタとの愛がなかなか伝わってこない。NY Timesの批評が結構面白くって、スラっと長身のフィリッポ王のと丸太のドン・カルロを比べたら、自分だったら、どう考えてもフィリッポ王の后で満足する、と書いてあった。そうだよね。パーペのどこがご不満?って感じ。その上批評では、タイトルを「フィリッポ王の悲劇」に変えるべき、とまで言っていた。まぁ観てみて同感。なにしろパーペが本当に良すぎた。
そして今回は、私にとって先シーズン前半以来のラバインの指揮。おかえりなさいという気分の人が多いのか、彼がピットに入ってくるだけで大拍手が起こっていた。そしてその大きな期待を全く裏切らない素晴らしい演奏だった。何しろ今夜のドン・カルロは5幕パージョン。相当長いが、その長さを感じさせない緊張感溢れる演奏だった。ほんと満足。ま、私の場合は前回がドミンゴだったから、特に今回は指揮者の違い痛感した。
このプロダクションは、ジョン・デクスターで、初演は相当古いらしい。今回も隣の席がオペラ通の品の良い老婦人で、このセットは近くで見たら、つぎはぎだらけなのよ、と言っていた。というかこの人、今回のドン・カルロはドレスリハーサルを含めたら4回目との事。羨ましい限りだが、今回のが一番出来がいいと言っていた。LAのフルラネットも良かったと言ってみたら、フルラネットは最近のフィリッポ王のゴールデン・スタンダードなのよ、と教えたれた。そうか、そうだったのね。
最近殆どオペラは一人で観に来てるけど、わたし的には、ドレスサークル前3列が、費用対効果的に一番気に入ってる。まずは何よりも音が良いし、ステージもちゃんと見える。上で聞いた後だと、オーケストラではもう聞けなくなる。音が上に抜けてくのが感じるもん。そして、大抵隣りは一人で来てる品のある老婦人でパトロン組。まぁパトロンルームはドレスサークルにあって近いからね。。こういう方々は、オペラに相当詳しくって、その上相当観てる。それも1シーズンの1演目を何回も観ちゃうわけだから、本当、財力と時間があるって羨ましい。。。
あー、早く次のオペラ観たいなー。次はネトレプコの清教徒で、その次はタン・ドゥンのFirst Emperor。あー、楽しみぃ。
by threenorns
| 2006-12-18 23:10
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